介護職は資格なしでも働ける!無資格でもできること、できないこと
著者: ゲートウェイ
更新日:2019/04/12
公開日:2019/04/12
更新日 2023/02/19
介護の仕事に就きたいと思った時、資格がないからと諦めていませんか?介護に関する資格は複数ありますが、資格のとりかたや要する期間はそれぞれ異なります。無資格であっても、働くことは十分に可能です。今回は、無資格で介護の仕事につく場合、どんな仕事ができるのか、その仕事内容についてご紹介します。
目次
介護職が資格なしでも働ける理由
資格なしでも働けるようになった背景
介護業界は、慢性的に人材不足を抱えており、これまでも離職率の高さなどが問題視されてきました。加えて、日本の高齢化スピードに対応できるほどの人材不足が特に問題となるのが、2025年と言われています。
2025年には団塊の世代がすべて75歳に到達し、後期高齢者数がこれまでにないほど増加する見込みです。厚生労働省は、この予測を早くから懸念し、介護業界の人材確保に向けた施策をすすめてきました。介護職の処遇改善により離職を防いだり、介護が必要となっても地域で長く住み続けられるような施策をすすめたりと、2025年を意識した働きかけが行われています。
2025年には約32万人もの介護職員が不足すると見込まれた現在、無資格者であっても雇用のチャンスは多いです。有資格者が行う業務を細分化することで、無資格であっても介護業界で働くことができ、人材不足の解消につながると考えられています。
介護業界で新人に求められるのは人柄の良さ
介護業界未経験者の採用にあたり、一番重視されるのは「人柄」です。これは、介護職員に限らず多くの業界や職種でも言えることですが、介護業界では特に重視されることです。
介護の仕事は、高齢者や障害者などの身の回りのお世話や介護を行います。人柄によって、向き・不向きが明確になると考えても良いでしょう。介護の仕事は、介護が必要となる人との関わりがメインです。その仕事を、たくさんの職員でチームになって行います。そのため、利用者はもちろん、職員とのコミュニケーションが欠かせません。
チームケアができる協調性や、コミュニケーションが問題なく行える能力が求められます。未経験者の場合は、自分から仕事を積極的に覚えようとする姿勢も問われます。
無資格から始める仕事は「介護助手職」
無資格でも始められる仕事は、介護助手職です。利用者の身体に直接触れる介護業務は有資格者が行い、介護職員をサポートする役割を介護助手が担います。
介護職員の業務は、実はとても幅広いです。例えば、介護施設で働く場合、利用者の介護だけではなく、居室や共有スペースの掃除、備品の補充、食事の配膳や下膳・片付け、レクリエーションの準備など、利用者の身体に直接触れない業務も多数あります。これらの利用者の身体に直接触れない業務を介護助手が行うことで、介護職は身体介護に集中することができるというメリットがあります。介護現場によって、無資格者は身体介護の業務に携われないケースもありますが、介護助手は人手不足の介護業界にとって求められる人材なんです。
資格がなくてもできる介護の仕事
無資格でできる介護の仕事はたくさんあります。
生活援助
食事作りや買い物などの支援です。訪問介護や、有料老人ホームなど、施設・在宅問わず必要な支援のひとつです。
掃除、洗濯
自宅で生活している要介護者の家の掃除や洗濯はもちろん、介護施設の環境整備や入所者の洗濯を行うこともあります。
送迎業務
デイサービスなどの通所事業所や小規模多機能型居宅介護では、要介護者の送迎も必要です。普通自動車免許が必要となりますが、介護の資格がなくてもできる仕事です。「運転手」として、送迎時間のみ出勤するパートタイムもあります。
事務系業務
請求事務や郵送物の発送、備品の発注、お客さんなどの応対など、事務系の仕事を担うこともあります。
無資格だとできない介護の仕事
介護業務のなかには、何らかの介護に関する資格がないとできない仕事もあります。
訪問介護の身体介護
訪問介護は、要介護者の自宅に出向き、介護や生活援助を行う仕事です。そのうち、実際に要介護者の身体にふれて行う介護(入浴介護や排泄介護、食事介護など)は資格がないとできません。
訪問介護の中の生活援助(食事作りや掃除など)に関しては、資格がなくても行うことが可能です。また、訪問介護ではなく介護施設等であれば、資格がなくても有資格者の指導のもと身体介護業務につくことができます。
コロナウイルス渦における特例
ここ数年の新型コロナウイルス感染症まん延に伴い、厚生労働省より、介護サービスに関する臨時的な取り決めが出されました。その中で、新型コロナウイルス感染症の影響で有資格者の人員の確保が一時的に難しい場合、ある基準を満たすことで資格を持っていなくても訪問介護に従事することが認められています。
ある基準というのが、高齢者へのサービスを提供した経験があることと、利用者へのサービス提供に支障がないと認められることの2点です。この基準を満たしている場合にのみ、無資格者でも訪問介護の身体介護に従事できます。あくまでもこれは臨時的な取り決めのため、基本的には有資格者の対応が優先となります。
無資格の介護職員の給料
無資格の場合、有資格者よりも給与が低くなる傾向にあります。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、介護職員のうち一般労働者の平均年収※は352万8千円、短時間労働者の平均年収133万3,449円※。
この金額だけみると、「介護職員は給与が低い」と言われる現状とは違う印象を持つかもしれません。介護職員の人手不足改善のため、処遇も年々改善されています。
しかし、資格の有無やサービス形態などによっても給与は異なるため、無資格の人が就職した場合、職場によっては平均基本給より低い給与になる可能性もあります。
入門的資格である介護職員初任者研修を取得しているか、無資格かで比べても、月給で2~3万円程度の差が出るところが多いと言われています。
※厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」の項目について、それぞれ下記のように計算し平均年収を算出しています。
一般労働者:決まって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額
短時間労働者:実労働日数×一日あたり所定内実労働時間数×一時間当たり所定給与額×12+年間賞与その他特別給与額
無資格でも受けられる介護の求人例
介護求人をみると、無資格でもエントリーOKな職場が多いことがわかります。
職種 | 介護職管理職(施設長・所長) |
---|---|
仕事内容 |
サービス付き高齢者向け住宅の介護業務や事業所運営、マネジメント全般 |
雇用形態 | 正社員(試用期間3ヵ月、雇用期間の定めなし |
給与 | 月給380,000円~ 月額328,640円+定額時間外手当51,360円(20時間/超過分は別途で支給) 交通費支給あり(全額支給)、昇給制度あり(年1回)、賞与制度あり(年2回) |
シフト | 09:00~18:00【月〜日(祝)】 週5日/1日8時間 休憩60分 有給休暇制度あり |
福利厚生 | 各種社会保険制度あり(法令通り) 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、財形貯蓄制度、資格取得支援制度 |
介護職は、資格がなくても応募可能な求人が多いです。年齢制限なしで、無資格での管理職求人があるので、高給与も狙える職種と言えます。また、60歳以上の人が定年後に再就職するケースも珍しくありません。
介護職は資格なしでも働ける!すぐに働きたいなら求人をチェック
今回は、無資格でも介護職員として働くことができるのか、またその仕事内容や給与額についてご紹介しました。
介護の資格は複数あり、なかには短期間で取得可能な資格もあります。介護職員として働きながら資格取得を目指す人も多いため、就職活動の際に資格取得を目指す旨を伝えるとさらに好印象を与えることができます。経済的に不安がある人も、介護の仕事ならお金を稼ぎ現場で実践しながら資格の勉強ができます。実際の経験と照らし合わせながら勉強をすすめていくと、より深い理解が得られることもメリットです。
介護の仕事に興味のある人は、資格がなくてもすぐに働くことが可能です。詳しくはこちらから介護職の求人をチェックしてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。