【最新版】サービス管理責任者(サビ管)の資格・要件や難易度について解説!
著者: ゲートウェイ
更新日:2022/06/20
公開日:2022/06/20
サービス管理責任者、通称「サビ管」は障害福祉サービス事業所で配置が必須とされる職種です。サービス管理責任者になるには、資格・要件を満たす必要があります。今回はサービス管理責任者の役割や仕事内容などを踏まえ、サービス管理責任者になるための資格・要件や難易度を詳しく解説します。
サービス管理責任者の資格要件は平成31年度(令和元年度)から新体系へ
サービス管理責任者になるための要件は、経過措置を設けて平成31年度より新体系となっています。変更点は、実務経験の一部緩和や研修分野の統合による緩和です。実務経験は必要年数が短くなり、研修は分野統合により統一したカリキュラムを共通で実施することとなりました。新体系へと刷新した背景には、一定期間毎の知識・技術の更新と段階的なスキルアップを図ること、分野を超えた連携を図ることが挙げられます。そして基礎研修終了後、OJTによる2年間の実践研修制度も新設されたことで、正式に資格取得するまでに現場で知識・技術が習得できるようになりました。
なお平成31年度より新体系へ移行していますが、平成30年度までに旧体系の研修を受講済みの方は令和5年度末までは更新研修未受講であっても、引き続きサービス管理責任者として業務が可能です。
サービス管理責任者になるための資格要件①実務経験について
研修を受講するにあたり、実務経験の要件を満たす必要があります。さらに、サービス管理責任者として働くには実務経験を証明する「実務経験証明書」を自治体に届け出ることが必須です。なお、実務経験は業務内容や保有資格に応じて必要年数が異なるため、下記実務経験の4つの要件を詳しくみていきます。
実務経験の要件①直接支援業務:8年以上
直接支援業務は、介護職や指導員、看護助手や生活支援員など資格が必要ない職種が担当する以下業務にあたります。
・身体または精神障がいをもった方の入浴や排せつ、食事などの介護、本人や介護者に対する指導
・日常生活における基本的な動作の指導や知識技能、生活能力向上のために必要な訓練のサポートや、訓練の指導
なお、直接支援業務には規定の施設・事業所で従事していることが必要です。
①下記いずれかの施設・保険医療機関等で介護業務に従事
・訪問看護事業所
・療養病床
・老人福祉施設
・介護老人保健施設
・老人居宅介護等事業
・障害福祉サービス事業
・障がい児通所支援事業
・障がい者支援施設
・障がい児入所施設
・保険医療機関
・保健薬局
②下記いずれかの障がい者雇用事業所で就業支援業務に従事
・特例子会社
・重度障がい者多数雇用事業所
③特別支援学校で職業教育業務に従事
④その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事
実務経験の要件②相談支援業務:5年以上
相談支援業務は、身体または精神障がいを持つ方に対して日常生活の相談や助言、指導などのサポートを提供します。相談支援業務を担当するのは、ソーシャルワーカーや相談支援専門員、支援相談員など資格を持つ職種が一般的です。相談支援業務も、直接支援業務と同じく規定の施設・事業所にて従事している必要があります。
①下記いずれかの事業所等で相談支援業務に従事
・地域生活支援事業
・身体障がい者相談支援事業
・知的障がい者相談支援事業
・障がい児相談支援事業
②下記いずれかの相談機関等で相談支援業務に従事
・身体障がい者更生相談所
・精神障がい者社会復帰施設
・知的障がい者更生相談所
・福祉事務所
・発達障がい者支援センター
・児童相談所
③下記いずれかの施設等で相談支援業務に従事
・居宅介護支援事業所
・地域包括支援センター
・介護老人保健施設
・老人福祉施設
・精神保健福祉センター
・障がい者支援施設
・障がい児入所施設
・救護施設及び更生施設
④下記いずれかの機関で就労支援に関する相談支援業務に従事
・障がい者職業センター
・障がい者就業・生活支援センター
⑤特別支援学校で進路相談・教育相談の業務に従事
⑥保険医療機関で相談支援業務に従事し、以下いずれかの条件に該当
・社会福祉主事任用資格を保有
・訪問介護員2級以上に相当する研修修了者
・国家資格等を保有
・①〜⑤の業務に1年以上従事
⑦その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事
実務経験の要件③直接支援業務に従事する有資格者:5年以上
直接支援業務に従事する、以下有資格者は5年以上の実務経験があることでサービス管理責任者の要件を満たします。
・社会福祉主事任用資格
・訪問介護員2級以上に相当する研修を修了
・保育士
・児童相談員任用資格
・精神障がい者社会復帰指導員任用資格
実務経験の要件④相談支援業務および直接支援業務に従事する国家資格等保有者:3年以上
相談支援業務および直接支援業務に従事する、以下国家資格等の保有者は1年以上の実務経験でサービス管理責任者の要件が満たせます。
・医師
・看護師
・准看護師
・歯科医師
・薬剤師
・保健師
・理学療法士
・作業療法士
・社会福祉士
・介護福祉士
・機能訓練指導士
・技師装具士
・言語聴覚士
・歯科衛生士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・栄養士(管理栄養士含む)
・精神保健福祉士
都道府県によって資格要件の緩和あり
「サービス管理責任者資格要件弾力化事業」により、地方公共団体がサービス管理責任者の確保と障害福祉サービスの提供が困難であると認めた場合、実務経験年数の要件が緩和されます。「サービス管理責任者の資格要件弾力化特区」に指定されている自治体は、必要な実務経験年数5年が3年に、10年が5年に短縮されます。
サービス管理責任者になるための資格要件②研修修了
実務経験の要件を満たした後、サービス管理責任者として従事するには研修修了も必須要件です。研修は「相談支援従事者初任者研修」「サービス管理責任者等研修」の2種類に分かれているため、それぞれご紹介します。
相談支援従事者初任者研修
各都道府県が実施する相談支援従事者初任者研修は「講義」と「演習」のカリキュラムに分かれていますが、サービス管理責任者の要件に必要なのは講義のみです。合計11.5時間のカリキュラムとなるため、2日程度で修了します。
サービス管理責任者等研修
サービス管理責任者等研修も、各都道府県で実施される研修です。サービス管理責任者等研修は基礎研修・実務研修・更新研修の3つがあり、資格取得には基礎と実務の受講が必要です。ここでは、各研修について詳しくご紹介します。
基礎研修
基礎研修は、共通講義と演習の計15時間のカリキュラムです。基礎研修は実務経験の必要年数を満たした方だけでなく、必要年数から2年引いた年数を満たす実務経験がある方も受講できます。つまり5年以上の実務経験を満たしていなくとも、3年以上の実務経験があれば受講可能です。そして基礎研修を終了することでOJTによる一部業務が可能となり、サービス管理責任者が1名配置される事業所であれば「2人目のサービス管理責任者」として配置が可能となります。なお令和元年〜3年までに受講した方で、実務経験の必要年数を満たしている場合は、基礎研修修了後3年間はサービス管理責任者として従事可能です。
実務研修
基礎研修の修了後、2年以上のOJT期間を経て受講できるのが実務研修です。研修は個別支援会議の運営方法や障害福祉の動向に関する講義、他職種や地域との連携などに関する計14.5時間のカリキュラムが組まれています。実務研修を修了することで、サービス管理責任者として正式に従事することが可能です。
更新研修
サービス管理責任者の資格取得は実務研修までですが、平成31年度の研修制度変更に伴い、実務研修修了後も5年に1度更新研修の受講が必要となりました。更新研修は計13時間のカリキュラムとなりますが、令和5年度末までは6時間程度に短縮が可能です。
サービス管理責任者の資格取得の難易度は高い?
サービス管理責任者の資格を取得するにあたり、合否のある試験はありません。必要な実務経験年数を満たし、指定研修を修了することで資格が取得できます。そのため難易度は高くありませんが、実務経験を考慮すると3〜8年以上の期間を要する点で容易な資格とは言えないでしょう。サービス管理責任者の資格取得を目指している方は、計画的に検討しましょう。
サービス管理責任者の資格は実務経験と研修修了の要件を満たすことで取得できる!
サービス管理責任者は必要年数の実務経験、そして研修を修了することで資格が取得できます。実務経験を加味すると資格取得までに3〜8年以上の期間を要する点で、資格取得の難易度は低くはないといえます。しかし平成31年度より資格要件が緩和されたことで、以前よりも資格取得が目指しやすくなっています。障害福祉サービス分野で長期的に活躍したい、ステップアップしたいという方は、ぜひサービス管理責任者の資格取得を目指してみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。