介護福祉士から目指したい!キャリアアップ方法を簡単解説!
著者: ゲートウェイ
更新日:2021/08/30
公開日:2021/08/30
介護福祉士になった後、どんなキャリアアップ方法があるか気になっていませんか?すでに介護福祉士の方だけでなく、介護福祉士を目指している方も、介護福祉士のキャリアアップ方法や他に取れる資格がわかると今後の目標ややりがいにつながるでしょう。そこでこの記事では、介護福祉士がキャリアアップする方法や役立つ資格・研修をご紹介します。
目次
介護福祉士でキャリアアップする方法
介護福祉士のキャリアアップ方法は、以下の5つが王道です。
・介護福祉士として役職を目指す
・介護福祉士の上位資格を取得して介護のプロになる
・介護に深い関係がある資格を取得する
・スキルアップ研修に通って専門知識を磨く
・独立を目指す
介護福祉士まではルートが一本化されていてわかりやすいものの、介護福祉士になった後は自分のキャリアアップ方法に悩まれている介護福祉士も少なからずいることでしょう。
介護福祉士として役職を上げれば介護の運営側の知識も習得できますし、上位資格取得を目指せば介護のプロフェッショナルとしてさらに現場で活躍できます。
また、他の民間資格や医療関係の国家資格取得も可能であるため、取得することで業務の幅が広がり、職種転換も可能です。
中には、介護福祉士の資格を武器に、開業を目指す人も少なからず存在します。
まだキャリアアップの方向性が定まっていな場合は、介護のスキルアップ研修に通うことで目指したい先が見えるでしょう。
このように、介護福祉士の資格を取得した後は、さまざまな方向性でキャリアアップできます。中でも、本記事は介護福祉士の資格を取得後に目指す人が多い傾向にある
・役職でのキャリアアップ
・資格取得でのキャリアアップ
・研修受講でのキャリアアップ
に焦点を当てていきます。
キャリアアップが狙える役職
介護福祉士がキャリアップで役職を狙うのはスタンダートなキャリアアップ方法です。
介護福祉士がキャリアアップで狙える役職は主に以下の通りです。
・サービス提供責任者
・介護長
・施設長
サービス提供責任者
サービス提供者責任者とは、特に訪問介護事務所におけるリーダーの役割を果たす、相談のプロフェッショナルです。
サービス利用者や家族からの相談に応じるだけではありません。介護計画書などの介護関係書類の作成をしたり、ホームヘルパーのスケジュール管理や指導・教育したりというように、介護業務を担う責任者でもあります。また、介護福祉士のキャリアアップのひとつであるケアマネージャーとの連携も必要です。
ケアマネージャーが気になっている人は、まずサービス提供責任者を目指してみてはいかがでしょうか。
・介護福祉士取得者であること
・介護職員初任者研修を修了し、3年以上実務経験を積んでいること
・介護福祉士実務者研修を修了していること
介護長(ケアチーフ・ケアリーダー)
介護長(ケアチーフ、ケアリーダー)のように、介護施設のマネジメント職を目指すのも介護福祉士のキャリアアップ方法のひとつです。
後述の施設長と違い、介護長は施設によっては1~2名の体制です。そのため、施設長よりも目指しやすいといえます。1つの施設で長く勤めあげてリーダー職を経験することにより、キャリアアップも実現しやすい反面、前任の介護長や施設長が退職しない限り就任できないのが難点です。
介護長を目指そうとしている場合は、リーダー職を経験したのち、新しくオープンする介護施設へ転職する方法も視野に入れなければいけないでしょう。
・1つの介護施設で長く勤務し、実績を残すこと(リーダー職を経験しておくと良い)
・新しくオープンする介護施設へ転職する
※そのほか勤務先の条件による
施設長・事業所長
介護長と同じく責任者を目指す方法が、施設長になる方法です。
施設長は、施設によっては事業所長などとも呼ばれ、介護施設の運営そのものに携わります。また、基本的に施設長は1人であるため、前任の介護長や施設長が退職しない限り、就任できません。施設長へのキャリアアップを検討している場合は、新しくオープンする介護施設に転職が最適といえます。かといって、いきなり施設長になれるわけではなく、補佐や副施設長といったように試用期間があることも念頭に置きましょう。
介護施設によっては、施設長になるには介護福祉士以外の資格が必要な場合もあるため、どこの施設長を目指すかで必要な勉強も異なります。
・1つの介護施設で長く勤務し、実績を残すこと(リーダー職を経験しておくと良い)
・新しくオープンする施設に転職する
※資格取得等、そのほか勤務先の条件による
キャリアアップに役立つ資格
介護福祉士は、他の民間資格や国家資格と併用することでキャリアアップも実現できるため、資格取得を目指すという方法もあります。
ケアマネージャー
ケアマネージャーは「介護支援専門員」と呼ばれる専門職です。
介護福祉士のような現場での業務もありますが、主に介護サービスの予定表「ケアプラン」の作成業務にあたります。
ケアプラン作成のためには、サービス利用者本人だけでなく、家族から十分なヒアリングが必要です。サービス利用者や利用者家族の心と体も一緒にサポートしていく相談のプロフェッショナルといっても良いでしょう。
ケアマネージャーになるには、介護福祉士の国家資格を所持していることを前提に、所定の試験に合格する必要があります。また受験資格を得るには以下の条件をクリアしなければいけません。
・特定の国家資格保持者
・介護福祉士を含む国家資格(医師、看護士、薬剤師、社会福祉士など)を持ち5年以上・900日以上の実務経験がある
・5年以上・900日以上の相談援助業務の実務経験者であること
ケアマネージャー試験を受けるには、介護福祉士の国家資格だけでなく、相談に関する実務の経験が必要です。また、ケアマネージャー試験に合格した後も、実務研修を修了させなければいけません。
まずは、サービス提供責任者や介護施設での相談員業務を先に経験することをおすすめします。
認定介護福祉士
認定介護福祉士は2015年12月にできた民間資格で、介護の資格の中でも比較的新しい上位資格です。
実際の介護や介護サービス提供者としての連携力・管理能力だけでなく、地域や他専門職との多様な関わりに対応できる優れた能力が求められます。
認定介護福祉士の試験を受験するためには、後述の以下の研修が修了していることが条件です。
・認定介護福祉士養成研修Ⅰ類修了
・認定介護福祉士養成研修Ⅱ類修了
認定介護福祉士の資格を持っていると、介護施設だけでなく、病院勤務や行政の支援センターなど他の職種の人と連携する職場で活躍できるでしょう。
また、認定介護福祉士の資格を重視する施設へ転職すれば、キャリアアップだけでなく待遇アップも期待できます。
看護師
介護福祉士の資格だけでなく、同じ国家資格の看護師を取得する方法もあります。
介護職の現場では、以前まで医療行為として扱われていた業務も行う場合があります。看護師資格を取得することで、介護福祉士だけではできない医療行為もできるようになり、業務範囲を気にせず業務をこなせるでしょう。
また、看護師は介護士の仕事をすることが許されているため、介護福祉士の資格と看護師の資格を併用すれば、介護施設だけでなく病院勤務でも活躍が期待できます。
さらに2021年から介護福祉士の資格を持っている場合、「従来より約1年短いカリキュラムで資格を取得できる」という新制度発足予定です。
看護師は、介護福祉士にとって目指しやすい職業になる未来があるため、今後の発表に注目です。
・看護大学、看護短大、看護専門学校などの養成所に通って(3~4年)看護師国家試験に合格する(現行)
※2021年からは従来より約1年短いカリキュラムで資格を取得できる新制度が発足予定
介護福祉士のスキルアップのための研修について
介護福祉士のキャリアアップ研修は、「生涯研修に基づく研修」として実施されており、介護福祉士として日本介護福祉会に登録することで、キャリアアップ研修が受講可能になります。
主に以下の3つが介護福祉士のキャリアアップにつながる研修です。
・介護福祉士基本研修
・ファーストステップ研修
・認定介護福祉士養成研修
介護福祉士基本研修
介護福祉士基本研修は、介護福祉士としての実務経験2年未満の方は受けておきたい研修です。介護福祉士基本研修の研修内容の一例を、以下にまとめました。
・介護福祉士の役割の理解と介護視点
・自立支援の考え方
・医学的知識
・災害における役割
・介護過程の展開プロセスの言語化
・事例に基づく介護技術 など
介護福祉士基本研修は、都道府県の各介護福祉会から申し込みできます。最近ではオンライン受講もでき、介護福祉士であれば取り組みやすい研修であるため、キャリアアップの方向に迷っている場合は受講すると良いでしょう。
・介護福祉士の実務経験が2年未満
ファーストステップ研修
介護福祉士として、小規模のチームリーダーを目指すための研修がファーストステップ研修です。介護の専門性やリーダーシップを高めるだけでなく、実際の自分の業務の振り返りながら自己分析する内容も組み込まれており、サービス利用者だけでなく一緒に働く職場から信頼を得られる仕組みが作られています。
全国社会福祉協議会から認定された介護福祉士ファーストステップ研修を開講している養成施設(スクール)で受講可能です。
・資格取得から2年経った実務経験者を対象
認定介護福祉士養成研修
認定介護福祉士養成研修は、介護福祉士から認定介護福祉士を目指す人向けの研修を指します。
・認定介護福祉士養成研修Ⅰ類
・認定介護福祉士養成研修Ⅱ類
研修は2つにわけられており、上質な介護の実践力はもちろん、5~10名までの介護サービスチームの指導等マネジメント力を養われる研修内容です。また、他業種やチームとの連携・協力ができるような研修内容であるため、介護福祉士として更に現場で活躍したい場合はおすすめといえます。
開催期間や費用は地域によって異なりますが、費用が高額かつ研修1年半~2年ほどかかるため、長期的な取り組みが必要です。「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」が定める受講資格を抜粋しました。
①介護福祉士としての実務経験(5年以上)
※ただし、科目によっては実務経験を問わない場合がある
②介護職員対象の現任研修受講が100時間以上
③研修実施団体のレポート課題の提出または試験によって一定の成績を修める
※認定介護福祉士認証・認定機構が定める研修(介護福祉士ファーストステップ研修、認知症介護指導者養成研修、ぐんま認定介護福祉士養成研修)を修了している場合は免除
④介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー (ユニットリーダー、サービス提供責任者等)としての実務経験を有することが望ましい
⑤居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましい
すでに介護福祉士として5年以上の勤務経験があれば、チャレンジしがいがあるでしょう。また、認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の場合は以下の通りです。
①認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了
②介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー (ユニットリーダー、サービス提供責任者等)としての実務経験を有すること
③居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましい
以上の2つの研修を修了することで、認定介護福祉士の受験資格を得られます。
介護福祉士のキャリアアップは様々!理想のキャリアを描いてみましょう
介護福祉士からキャリアアップを目指すためには、どの方向性においても介護福祉士として長期間に渡る勤務努力が必要です。介護福祉士を取得したら、早い段階で専門的にスキルを伸ばすか、他の人たちを束ねたり運営に携わったりするマネジメント側に立ちたいかを考えましょう。介護福祉士のキャリアアップは、あなたが将来的に介護の仕事とどうかかわりたいかが重要です。
自分が目指したいのは、介護の専門性かマネジメントのどちらなのかを明確にしたうえで、キャリアに必要な実務経験や研修を受けていくことをおすすめします。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。