女性とは違った魅力がある?男性保育士の将来性や悩み、やりがいを徹底解説
著者: めんたいパスタ
更新日:2019/02/28
公開日:2019/02/28
近年、働く現場における男女差別は徐々に減ってきています。そんななか、かつては“保母さん”などと呼ばれていた職種も、男性の労働者が増えるとともに“保育士”という名称に変化しています。では、男性の保育士の現状はどうなっているのでしょうか。本記事では、男性保育士の将来性や悩み、やりがいなどを徹底解説していきます。
目次
現実は厳しい?男性保育士の実情
男性保育士の割合は?
現在、一般的に使われている“保育士”という名称は1999年に生まれたとされています。その後、2002年には全国で1,000人未満しかいなかった男性保育士ですが、法改正などもあり、3年後の2005年には15倍以上の15,600人を超えました。徐々にその数も増え続けている男性保育士ですが、厚生労働省の資料によると、令和2年の保育士登録者数は約1,665,549人で、そのうち男性は約82,330人でおよそ5%に過ぎません。
男性保育士の平均年収は?
今後、保育士を目指したい男性もいるのではないでしょうか。そこで気になるのが年収です。令和3年賃金構造基本統計調査によると、男性保育士の平均年収は4,196,800円となっています。同調査における女性保育士の平均年収が3,792,000円なので20万円以上男性の方が優遇されている傾向です。また、平均年齢は女性保育士が37.6歳に対して、32.4歳と男性保育士の方が低いのが現状です。
※平均年収は、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」の所定内給与額+超過労働給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額で算出しています。
男性保育士の待遇は?
まだまだ珍しいといえる男性保育士ですが、保育の現場においてはどのような待遇なのでしょうか。しかし、残念ながら「男性保育士を雇うメリット」がないと考えているところも少なくありません。それでも、力仕事ができたり、体育指導が得意だったりと、保育の現場によっては男性保育士が頼りにされているところもあるようです。
肩身が狭い?男性保育士の悩み
偏見の目で見られる
やはり、女の子との着替えやおむつ交換など、一部の保護者から偏見を持たれることも覚悟しなければいけません。しかし、実際に海外では、男性保育士が女児に対して性的虐待を加えて逮捕されるなど、賛否両論が出るところではあります。この問題に関しては、保育園側が何を優先するのかによっても、変わってくるのかもしれません。
男性トイレ・男性更衣室がない
徐々に男性保育士が増えてきたといっても、登録者数は4%に過ぎません。そのため、男性保育士のための環境が整備されていないのも現実として受け止める必要があります。とは言っても、トイレや更衣室は業務上で必要な環境であるため、労働者の一人として求めるのは当然の権利です。経営者と話の場を設けながら、環境を改善していきましょう。
女性保育士との関係
基本的に、保育園で働いているのは女性がほとんどです。そのため、職場で男性が一人ということは珍しいことではありません。意見がしにくい環境であることはいうまでもなく、気軽な仕事の相談もできないというのが本音です。それでも、自分一人で悩みを抱え込むのではなく、男性の同業者や友人などを頼るなどして解消していってください。
男性保育士の魅力とは?
得意分野で活躍できる
男性と女性とでは得意分野に違いが出てきます。たとえば、女性なら繊細な仕事を得意としますが、男性であれば力仕事や汚れ仕事などを積極的にこなすことができるでしょう。他にも、男児のトイレトレーニングについては、女性保育士にとって難しいと感じるかもしれませんが、男性の保育士であれば一緒にトイレへ付き添うことが可能です。
頼りになる存在
日本は安全といわれながらも、毎日のように物騒な事件が発生しています。そのため、大切な子どもたちを預かる保育園でも防犯対策に気を抜けないのが現実です。もし保育園に不審者が侵入しようとしても男性保育士がいることで、抑止力になる可能性は十分にあります。このような意味でも、男性保育士は頼りにされる存在です。
子どもたちに大人気
年長クラスになると子どもたちは力も強く体力もあるため、女性保育士だと体当たりされて倒されてしまったり、遊びについていけなくなったりするもの。そんなときでもしっかりと対応できる男性保育士は、子どもたちからは人気の存在です。また、悩みを聞いてあげたり、園児同士のケンカを仲裁したりと、男児の気持ちを理解してあげることもできます。
男性保育士の将来性
男性保育士のニーズは拡大中
女性ばかりの職場で悩みは絶えませんが、徐々に男性保育士の数は増えてきています。というのも、男性保育士には女性とは違った魅力があるからです。上述したような活躍の幅が広がるだけでなく、男性保護者の良き相談相手になることもあります。このような理由から、男性保育士を積極的に採用しようとする保育園も少なくありません。
自治体が支援する動きも
女性がほとんどを占める保育業界で、男性保育士の働く環境を改善することを目的とした「男性保育士活躍推進プラン」を2017年1月に千葉市が策定・発表しています。男性保育士の複数配置だけでなく、保育所における設備整備などを目指しているようです。また、男性保育士への理解の促進についても行政が推進していくことを決めています。
男性保育士が給与をアップさせる方法
とは言っても、男性保育士は給料が少ないなどの理由から離職する人も少なくありません。このような状況を打破するために、いくつかの方法をご紹介します。
・幼児体育やスポーツインストラクターの資格取得
・夜勤のある保育園への転職
・主任や園長など管理職を目指す
・公立保育園の求人をこまめにチェックする
まだまだ安定しているとはいえない男性保育士の世界ですが、自治体なども含めて少しずつ改善しようとする動きがみられます。自分で収入アップのために何ができるのかを考えて、実践してみてください。
男性としての魅力を活かしながら保育士としてキャリアアップしよう
男性保育士に対する環境や処遇はまだまだ厳しいと感じるかもしれません。しかし、男性保育士の需要は高まってきているので、徐々に改善していくことでしょう。保育士としてキャリアアップを目指したい人は、男性としての魅力を活かしてみてくださいね。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。